44歳の僕がステージ4の大腸がんと診断されて

2016年大腸がん発覚。手術後、腹膜への転移が確認されステージⅣだと告知される。その後半年間に及ぶベクティビックス抗がん剤治療を受ける。2018年12月がん再発。アバスチン抗がん剤治療を受ける。48歳になりました。

経過観察のエコー検査。抗がん剤治療終了から8ヵ月経過して再発の兆候はあるのかないのか【がん闘病記134】

この記事ではヨシノ (id:yo_kmr)が2017年の9月下旬に書いたメモをまとめています。

なんだかんだで抗がん剤治療終了から8ヵ月経過

2017年9月。

早いもので今年の初め2017年1月に全12クール(約半年間)の抗がん剤治療が終了してから8ヶ月が経過した。

現在では抗がん剤治療中は僕をこっぴどく苦しめていた抗がん剤の副作用もほとんど身体から抜け、今のところは身体のどこかに痛みを感じるとか不調を感じることもなく平穏無事に日々を過ごすことができている。

そして今日は経過観察の検査を受けるために病院に来ている。

今回受ける検査は血液検査とエコー検査。

今のところは2ヵ月ごとに血液検査とそれに合わせてエコー検査とCT検査を交代で受けている感じだ。

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病院の空気で抗がん剤治療を受けていた時のことを思い出す

朝9時ごろに病院に到着。

久しぶりに病院に来て思うことは、やはり病院内の消毒液と薬液の混ざったような独特の空気というか匂いのようなものを病院内に入った瞬間感じる。

その匂いのせいで気のせいか抗がん剤治療を受けていたときのことを思い出してなんだか気分が悪くなってくる。

昔、大好きな音楽を繰り返し聞いていて、数年経ってから久しぶりにその曲を聞くと当時のこと思い出すような感覚に似ている。

血液検査とエコー検査を受ける

気を取り直していつものように自動受付機に診察券を通して採血室へ直行。

毎回のことだけど採血室前の待合ロビーは血液検査を受ける大勢の人でごった返していたけど、血液検査は注射で血を抜くだけでいつも通り済んだ。

続いてエコー検査を受けることに。

しばらく待った後、検査室に通され主に腹部を中心にエコー検査を受ける。

検査を受けている最中、心の中で

「どうか何も見つかりませんように…」

と願う。

今更願ったところで途端に癌細胞が消滅するわけでもないし、そんな虫のいい願いをするくらいならもっと日々の生活をストイックに生きるべきだろう。

ほんのひとときの願いや祈りで問題が消え去ると思うこと自体が厚かましいことなのかもしれないが、こんなときはどうにも考えずにはいられない。

これまでエコー検査はすでに何度か経験済みだが、いつもと検査の手順が違うと急に不安になってくる。

今回はこれまでと違って途中で上体をベッドから起こして検査をするという工程があった。

「こんな感じのことは前回の検査ではやらなかったはずなのになあ…、何か異常が見つかったのか…?」

「がん再発」という鼻先に感じていた暗くて苦い不安の匂いが鼻の奥に差し込まれたように感じる。

ああ、恐ろしい。

検査手順がちょっと違うだけでもうろたえてしまう自分が情けない…

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そうこうしているうちにエコー検査も終わり担当医のウエノ先生から検査結果を聞くための問診を受けるまで、待合ロビーでしばらく不安な時間を過ごした。

 

血液検査とエコー検査の検査結果

1時間くらいは待っただろうか、名前が呼ばれ診察室に入る。

最近は診察室に入った瞬間に担当医のウエノ先生の雰囲気で検査結果の想像がだいたいつくようになってきた。

いい結果のときはたいていリラックスした感じで座ってらっしゃる。

診察室に入って先生がどういう雰囲気で座っているか即座に判断する。

一瞬で見たところではどちらでもない…といった感じだった。

今日は判断がちょっと難しい。

僕が椅子に腰かけてすぐに先生が切り出す。

「今回の血液検査で腫瘍マーカーは…」

あ、なんだか先生の声のトーンが明るい気がする。大丈夫かも…

「正常範囲内で大丈夫でしたね!」

この言葉を聞いた瞬間、とりあえずホッとする。

「そしてエコー検査の結果ですけど、とくに再発の予兆は見られませんでした」

いつもながらこの言葉を聞くまでは結構ドキドキしている。

そして先生がつづけて

「この結果で100%安心というわけではないですが、あくまでもひとつの目安ということで」

と付け加える。

やはり先生はこれまで診てきた患者さんで予想だにしない再発などのケースを見てきたのだろうと想像する。

もしくは僕みたいな病状のケースでは再発の可能性が高いのかもしれない。

血液検査の結果について少し話をしたあとで、次はまた2ヶ月後に血液検査とCT検査をすることになった。

「せっかく、半年間のあの大変な治療をしましたからね、2ヶ月ごととか何度も検査しますけど何かあってはいけないですからね」

「いえ、その方が僕も安心できます」

「本当、あのつらい治療をよく頑張りましたからねぇ…」

先生はしみじみとそう付け加えた。

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先生に言われるとなんだか誇らしい気持ちになってくる。

この日は次回の検査日の予約をして帰宅した。

この先 2ヵ月は無事に生きられるお墨付きをもらった気になる

とりあえずは今回の検査も無事に済んでなによりだった。

ほっとしたしうれしかった。

いつも検査結果を聞くまでは

「がん再発の兆候などがでてきてたらどうしよう…」

と不安になるものだ。

正直、僕の心情としては「がんの再発」も恐ろしいがそれよりも怖いのが、がんが再発した場合は「また抗がん剤治療を再開しなくてはならないこと」の方が怖いのだと思う。

それほどまでに抗がん剤治療は苦しかったし、トラウマになりつつある。

しかし今回の検査で異常が見つからなかったので、なんだかあと2ヶ月は無事に生きられるお墨付きをもらった気分だ。

これからも油断せずに日々の生活をストイックに過ごしていこうと思う。と思うのだけど「喉もと過ぎればなんとやら」でつい気が緩んでしまいがちなのでそこらへんも注意していこうと思う。

なるべくに。