化学療法、抗がん剤治療、その恐怖から目を背け耳を塞ぐ自分
化学療法、抗がん剤治療、その恐怖から目を背け耳を塞ぐ自分
この記事ではヨシノ(id:yo_kmr)が2016年の6月下旬ごろに書いたメモをまとめています。大腸がん手術での入院から退院できたとはいえ、がん進行度ステージⅣの告知を受けたショックは大きく、重苦しい気持ちが続きます。今回はなぜそんなに恐れるのか不安になるのかを考えてみました。
- 化学療法、抗がん剤治療、その恐怖から目を背け耳を塞ぐ自分
- 大腸がん手術で約2週間入院し、退院した翌日
- がんと闘うこと。病気に打ち勝つこととは何なのか考える
- 不安の原因、源泉は化学療法・抗がん剤治療にあるのではないか
大腸がん手術で約2週間入院し、退院した翌日
2016年6月。
朝、6時過ぎに目が覚める。
まだ病院での習慣が残っているようで、なんとなく安心する。
規則正しい生活を心がけないと、すぐに自堕落な生活になってしまいそうだから気を付けないといけない。
気持ちは、気分はどうか?というとまだ暗く重いままだ。
これから先、ずっとこんな精神状態のままなのだろうか?だとしたらつらい。
身体にまとわりつく鉛のような重苦しさ
朝食にと、近くのコンビニでパンを買ってきたが食欲はあまりない。
いつもだったらパンの一個くらいはあっという間に食べ終えてしまうのに、どうかしてしまったようだ。
ゆっくりではあるが時間をかけてようやくひとつのパンを食べ終えた。
この身体にまとわりつく鉛のような重苦しい気持ちが手術後の体調からなのか、癌進行度のステージ4を告知された精神的なショックのせいなのか、身体に残っている癌が悪さをしているせいなのかは分からないけど、どっちにしろなんとかしたいとは思う。
がんと闘うこと。病気に打ち勝つこととは何なのか考える
- 癌と戦う・闘う
- 病気に打ち勝つ
よく言われることだが、これらのことについて考えてみようと思う。
闘うということに心から納得できない自分がいる
僕はどうもこの「戦う・闘う」ってことに対していまいちピンと来ていない。
心の底から納得していないというか腑に落ちていない感じがする。
「戦う・闘う」ってことは自分に対して敵対する存在がいるってことで、その存在がここでは「病気・癌」ということになる。
なぜ癌を敵とみなすのか ?
自分の身体を破壊するから?
自分を破滅に追いやるものだから?
それらのことが怖いから、逃げ出したくなる気持ちを抑えて踏みとどまるために癌を敵とみなし、癌を憎み、癌に抗い、癌に屈服しないためにファイティングポーズをとる。
これが「癌と戦う・闘う」、「病気に打ち勝つ」ということなのだろうか。
このことが自分にとって真実、もしくは直感的に納得しているのであれば「ああ、そういうことか」とストンと腑に落ちた感情にもなるんだと思うのだけど、なんだかちょっとフォーカスするところがズレているような、なんとも言い難い違和感のようなものを僕はこの「戦う・闘う」という言葉に感じている。
癌を敵とみなすとのは怖くておびえてる自分を奮い立たせるため?
逃げ出したくなってるその両足を踏ん張らせるため?
戦いの根っこには恐怖がある。
悲しみがある。
孤独がある。
それらに押しつぶされまい、屈服するまいと抵抗する自分がいる。ということなのか?
どうにも考えがまとまらない。
答えが出るかは分からないけど、おいおい考えていこうと思う。
不安の原因、源泉は化学療法・抗がん剤治療にあるのではないか
不安の原因は癌そのものとは別に2週間後に予定している「化学療法・抗がん剤治療」にもあるんじゃないかなと思えてきた。
正直なところ現時点で僕は全くと言っていいほど化学療法や抗がん剤について勉強していない。
病院からもらったパンフレットですら医師や薬剤師からの説明の時以外では全く見ていない。
それにこのご時世、調べようと思ったらネットでいくらでも情報を取ってこれるのにそれすらやろうとしていない。
なぜかというとそれは怖いから。
僕が弱虫だから。
情けない僕は化学療法中の抗がん剤が自分の身体に及ぼす影響や、副作用などのネガティブなものに対して目を背け、耳を塞ぎ、その恐怖から逃げているんだと思う。
逃げるから追い回され、追い回されるから怖くなり逃げるという悪循環
自分の弱さゆえにその恐怖から逃げているということは正直に認めようと思う。
逃げるからその「恐れ」に追い回される。
その事実から目を背け見ようとしないので、背中から忍び寄る恐怖がより一層増大されて感じられ、その怖さでまた目を背ける。
何かから逃げているときはその対象を見ようとしない。見ないから実態が分からない。分からないからより一層怖くなる。
悪循環だ。
僕が勝手に思い描く化学療法や抗がん剤治療のイメージは?
僕が化学療法、抗がん剤治療に対して持っているイメージとしては…
- 身体は痩せ細って腕は棒切れのようになる
- 肌の色は浅黒くなってガサガサと乾燥している。
- 髪の毛は抜け落ち、目の周りは落ちくぼんでゾンビみたいな顔立ちになってしまう。
- 体力は根こそぎ奪われてベッドで寝たきりになり、点滴やいろんなチューブで身体中つながれている。
- 食べ物は受け付けず、ことあるごとにゲーゲー吐く。
- 最終的には抗がん剤は効かなくなって癌が進行し、僕の人生は終わる。
というのが僕の持つ抗がん剤に対してのイメージだけど、これらは今まで僕がドラマとかで見聞きしてきたものだけがイメージのもとになっているだけで、本当の抗がん剤治療中の癌患者の状況を自分で見聞きしたものではない。
ということは僕は勝手に自分が作り上げた幻想に
勝手に恐怖して、
勝手に追い回され、
勝手に逃げ回ってるだけってことになる。
ここまで自分で書いてみて、自分でなるほどと納得してはみたものの、やっぱり怖い。
今すぐ病院からもらった抗がん剤について書かれたパンフレットを見る気にはなれない。
僕は身勝手で厚かましい人間なんで、ここまで分かってても行動に移せない。
いくじなしだ。
唾棄すべき根性なし。
明日になったら手に取って見ることが出来るだろうか?
パンフレットの1ページでも開いてめくって見ることができるだろうか?
頑張ってみようと思う。