44歳の僕がステージ4の大腸がんと診断されて

2016年大腸がん発覚。手術後、腹膜への転移が確認されステージⅣだと告知される。その後半年間に及ぶベクティビックス抗がん剤治療を受ける。2018年12月がん再発。アバスチン抗がん剤治療を受ける。48歳になりました。

生命保険の医療特約とがん保険の給付金請求の手続きをすることにした

生命保険の医療特約とがん保険の給付金請求の手続きをすることにした

この記事ではヨシノ(id:yo_kmr)が2016年の6月下旬ごろに書いたメモをまとめています。加入している生命保険の医療特約とがん保険の給付金請求をすることにしました。保険に関する個人的な考えについても書いています。

生命保険、がん保険の給付金手続きを始める

2016年6月。

退院した日の翌日、現在加入している生命保険の入院給付金などの手続きを始めることに。

僕が加入している保険は少額でたいしたものではないが、民間の保険会社には日本生命の定期付終身保険(医療特約付き)とアフラックのがん保険に加入している。

毎月各保険会社に支払っている掛け金は日本生命が9,000円弱。

アフラックは3,000円くらいだったと思う。

最初に連絡したのは日本生命で、電話で問い合わせると郵送で書類を送ってくれることになった。

僕が日本生命で加入している保険は更新型(10年)の死亡保障メインのプランで医療保障など各種特約が付いているタイプ。

支払っている毎月の保険料は9,000円弱なので、僕の年齢にしてみれば少額のプランだと思う。

自分のプランに関しては以前僕は保険の営業をしていたこともあるので自分で考え、自分で計画してプランを作成したものに加入している。

以前保険の営業もしていた僕が考える生命保険、がん保険に対する考え方

生命保険やがん保険のプランは人それぞれ考え方やライフスタイルによって違うと思う。

僕の保険に対する個人的な考えは「保険を使うことなく健康でいられることが一番」なんだけど、自らの「死」や「病気、突発的な事故による怪我」などは自分自身で完全にはコントロールすることができず、しかも予測不能な部分が大半を占めるのでそういった点を保険で金銭面からカバーできればいい。程度の考え。

家族がいて、家計の中心である人物(お父さんお母さん)ならある程度の死亡保障は必要かもしれないが、それも年月の経過とともに死亡保障の額は減らしていけばいいと思っている。(1歳の子供と15歳の子供では二十歳まで育てる経費が違うという考えから)

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※個人の感想です。

独身者なら保障は要らないかもしれないけど、それが正解とは限らない

僕みたいな特に大きな借金も無くて、結婚もしていない独り身なら死亡保障はほとんどいらない。

なぜなら死亡したとしても清算すべき借金や資産を残す対象である奥さんや子供がいないから。

しかし、死亡保障はいらないという考えが前提にあるけど、ある程度の死亡保障には加入しておいたほうが良いと思う。

なぜか?

その理由として「人間は心変わりをする生き物」だから。

「一生独身を貫くんだ」と若いころに固く決心していても、いつ心変わりがあるか分からないのが人間であり人生。

ある日突然運命の人に出会うかもしれないし、恋に落ちるかもしれない。

きつく結んで玉のような結び目になっていた「独り身でいるという決意」も、「恋の魔法」によって一瞬のうちにほどけてしまうかもしれない。

そんなことが起きないという可能性はゼロではないし、人生振り返ってみると

「なんであのときはあんなことを考えていたんだろう?」

と不思議に思うことは別に珍しいことではない。

その他に何らかの事情により自分の死後にある程度のお金を残さないといけないことになるかもしれない。

健康な人と病歴がある人では保険に加入できる条件は違ってくる

もし仮に突然の恋が実って結婚し、いざ生命保険に加入しようとしても健康でなければ新規加入には条件が付いたり保険会社の方から断られるケースもある。(病歴がある人が加入できる保険が全く無いわけではない)

特に僕みたいに癌に罹(かか)るとおそらく新規での加入は難しい。

よしんば入れる保険があったとしても保障額が低かったり、支払う保険料が割高になったりと、健康な人と比べると条件が悪くなるのは間違いない。

なぜ条件が悪くなるのかというと、生命保険の基本的理念として「相互扶助の精神」というものがあり、大勢のみんなが少しづつお金を出し合って万が一のことがあった人を助けようという考えがある

そんな中に病歴がある人間が入るとその人にお金を払う確率が高くなり、健康な状態で加入した人間が不公平感を感じるので病歴(保険や保険会社によって条件はことなる)がある人は保険に加入しにくいということなんだと思う。

病気になると加入が難しいので、健康なうちから保険に加入しておいたほうがいいという側面もある

「保険に加入できない」という事実はつらい。

それは保険会社から「あなたは長生きできないというお墨付き」をもらうように感じるからだ。

そういった理由から、まったくのゼロよりはマシだと思うので健康な時から独り身でも少額でいいので死亡保障は用意しておいた方がいいと個人的には考える。

僕も今現在加入している既存の保険契約を大事にしていこうと思っている。 

死であれ病であれ恋であれ、いつ何時自分に降りかかるか分からない不確定な要素のために準備するのが保険なのだと思う。

死亡よりケガや病気のほうが確率が高いので医療保障は大事という考え

それと死亡保障以上に重要なのが医療保障だと個人的には思う。

死ぬ確率より病気になる確率の方が高いし、死亡するのは一回で終わりだけど病気やケガは何度もなる可能性があるので医療保障は欠かせないと思う。 (※個人の感想です)

とはいえ今、僕が日本生命で加入しているプランは死亡保障メインで医療特約が付いている更新型。こんなことになるのならもっと手厚い医療保険に加入しておけばよかったと思うけどあとの祭り。でもとりあえず今加入している保険にも医療特約はつけているので何もないよりはマシといったところ。

そして更新型というのは更新が来るたびに保険会社に支払う保険料が高くなるのだけど、それは10年更新ならその10年間の危険度、利率で保険料を計算しているためだ。

一般的に見て、20歳から30歳の間で死亡する確率と50歳から60歳の間で死亡する確率では統計的にみても後者の方が死亡する確率が高い。

死亡する確率が高い分保険料も割高になるので、通常の契約では更新が来るたびに保険料の負担は増えていく。

更新型の保険は更新のタイミングで「減額」すれば保険料を抑えられる

そんな更新型の保険でも更新時期が来ても保険料を抑える方法がある。

それが保障内容を減らして更新する「減額」という方法。

僕が日本生命で加入している保険は10年更新だけど、更新が来るたびに保険料は高くなるので高くなった分は「死亡保障」の部分を減額して更新してきた。(本当なら若いときの死亡保障もあまり必要ないけれど)

減額するのは死亡保障だけで医療特約など医療に関する部分は大事なので減額せずそのまま残してある

新規で加入した時の死亡保障額は3000万円だったが今は減額をくりかえして1000万円ほどになっていると思う。

この方法で更新してきたので若いころとあまり変わらない保険料負担で済んでいる。

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保険会社から提案されることは少ない「減額」という方法

この方法は更新時期に保険会社の方から提案されることはあまりないと思われる。

なぜなら既存契約が目減りするだけで保険会社の利益には直結しないから。

契約者の利益を考えるなら選択肢のひとつとして保険会社のほうからしっかり説明するべきだと思うけど。

保険会社の外交員の人が更新時に提案してくる見直しの方法は既存の加入プランを下取り(CV:コンバージョンともいう)して新しいプランにするという見直し方法が多いと思う。

下取りと言っても突き詰めれば新規に保険を契約することと一緒だし、新発売された特約なんかは既存の契約に「途中付加」という形でつけられる場合もある(保険会社、保険契約によって条件は異なる)ので問い合わせてみるのも手だと思う。

減額のデメリットとは

毎月の保険料負担を抑えられるとはいえ「減額」にもデメリットはある。

減額によって保障額は減るので、もし万が一のことがあれば受け取れる保険金は少なくなるということ。

それでも僕は「万が一のときのお金」より「生きているときに使うお金」の方が大事だと思うのでこの方法をとっている。

今回保険会社に請求するのは医療保障に関する部分

今回、日本生命の契約で請求できるのは特約としてつけている入院手術給付金と三大疾病特約。

僕が受け取れる入院給付日額はがん特約と合わせて日額25,000円。

普通の病気やケガなら日額5,000円だけど癌の場合なら特約が効いて日額25,000円になる。

癌で入院すると手厚いプランだ。

2週間入院してたので、25,000円X14として入院給付金だけで35万円はある。

それと手術給付金がどれくらい出るかは分からないけど入院日額の○○倍って計算だろう、たぶん。(倍率は病気や手術によって異なる)

加えて癌と診断されたら給付金がおりる「三大疾病特約」が100万円だから全部合わせても余裕で135万円以上は給付金が下りるはずだ。

手続きの手始めとして、まずは日本生命には電話で癌で入院手術したことを伝えて医療保険の給付金請求の書類を送ってもらうようにした。

がん保険の給付金請求でアフラックに電話する

次にアフラックにも電話して必要書類を送ってもらうように手配してもらった。

アフラックのプランは癌に特化したもので逆に癌以外ではほとんど保障はない。

保障内容は入院給付金とがん診断給付金。

入院日額は一日あたり10,000円。

そして癌と診断されたら給付される「がん診断給付金」が100万円だから入院給付金と合わせても110万円以上は給付金が下りる。

保険の給付金が自分の銀行口座に振り込まれたら少しは気がまぎれるかと思って

本来ならもしこの先僕が急死しなければ抗がん剤治療で入退院を繰り返すことになるのは確実なので、ある程度入退院を繰り返したあとか、もしくは僕が死亡してから保険金請求したほうが一回で済むから手続き的にはそっちのほうが楽でいい。

でも、このところ気分が落ち込んでいたので、自分の銀行口座にお金が振り込まれたら少しは楽しい気持ちになれるかな?と思って、今回いったん給付金を請求することにした。

それに抗がん剤治療は高額になるので事前にお金を用意しておいてもいいのかもしれないとも思った。

保険に加入していたお陰で金銭面での心配は軽減された

癌が発覚する前に保険に加入しておいたから、今回2社合わせて200万円以上の給付金がおりることになって金銭面での心配が減ってよかったと思う。

でもこのお金はおいそれと使うことはできない。

今後の病状の進行次第では保険適用外の高額な治療を受けるようなことになるかもしれないからだ。

そんな時にお金があるのとないので選択肢の幅が変わってくるのはしょうがないことだけど、もしかしたら今回請求した給付金程度のお金では全くお話にならないという場合だって十分考えられる。

一番いいのは保険を使わずに健康でい続けることなんだけど。

今の僕にはこの「健康」という言葉がとても遠くに感じる。

アフラックへの電話を終えて受話器を置いた時、そう思った。