44歳の僕がステージ4の大腸がんと診断されて

2016年大腸がん発覚。手術後、腹膜への転移が確認されステージⅣだと告知される。その後半年間に及ぶベクティビックス抗がん剤治療を受ける。2018年12月がん再発。アバスチン抗がん剤治療を受ける。48歳になりました。

急にガンプラが作りたくなる【がん闘病記96】

この記事ではヨシノ (id:yo_kmr)が2016年の11月中旬に書いたメモをまとめています。

9クール目の抗がん剤投薬後から11日経過

2016年11月。

普段なら今日で11日間の休薬期間が終わって明日からまた抗がん剤治療のため入院するといった流れなのだが、今回はまだ休薬期間が1週間以上残っているから気が楽だ。

前回の入院時の診察の時に担当医のウエノ先生から

「今日はもう抗がん剤やらずに帰るかね?」

って言われたくらいだから、その時の僕は見た目にもかなり衰弱していたのだろう。

f:id:yo_kmr:20190106184712j:plain

 

体重は落ちているし、顔色もどす黒くておそらく表情もかなりつらそうだったのかな。

まあなんにせよ休薬期間に余裕があるというのは嬉しいことだ。

 

抜け毛が落ち着いてきた

そういえば最近抜け毛の数が減ってきているような気がする。

シャンプーのときに手につく毛の量がだいたい5本以内に収まっているとは思う。

とはいえ頭に残っている毛の量も減ってきているのは確かだ。

それでも完全に髪の毛が無くなったというわけでもない、薄毛というか超薄毛だけど。

そんな超薄毛でも髪型はオールバックとかに整えれば見栄えもそう悪くはない。

今、僕の頭に残っている髪の毛たちは抗がん剤の細胞毒に耐え抜いた歴戦の勇者たちだ、強い毛根だ、猛者なのだ。

猛者だけに将来また僕の頭髪がモサモサになるのに一役買ってくれるだろう。

・・・

なんにしてもひどいダジャレだ、もう少し他に考えようがなかったのか?

 

休薬期間が長めだと気が楽だ

9クール目の抗がん剤投薬後から12日経過

いつもなら今日は次の抗がん剤治療が始まるタイミングだが、今回はいつもより休薬期間を長めにしてもらったのでまだ入院しなくてもいいから気が楽だ。

とはいえ抗がん剤の副作用はまだある。

舌が痺れているし下痢気味でもあるのと、発疹やかゆみなどの肌の疾患は相変わらずひどい。

まあ、次の抗がん剤投薬での入院までまだ1週間以上あるし、ゆっくりしよう。

 

急にガンプラが作りたくなる

というわけで何故か急にプラモデルが作りたくなって急きょ近所のホビーショップみたいなところに行ってきた。

amazonなどの通販サイトで買ってもよかったのだが、なんというか外箱の感じとか大きさの感じとかを実際に商品を手に取って感じてみたかったから。

僕はたまにこういう衝動に駆られる時がある。急に絵が描きたくなってパステル画材一式を購入してみたり、ドラムが叩きたくなって練習用のドラムパットセットを買ってみたり、スケボーをやってみたくなってスケボーを買ってみたり。

どれも衝動的なものなのでたいていは長続きせずにすぐ飽きてしまうものなのだけど。

今回は無性にガンダムのプラモデル、いわゆるガンプラの敵役のロボットというかモビルスーツの「シャア専用ズゴック」を作りたくなったので購入した。

僕が小学生くらいの時はガンプラブームでどこのお店に行ってもガンダムのプラモデルは品薄状態だった。

近所の駄菓子屋でもガンダムのプラモデルいわゆる「ガンプラ」はちょっとだけ取り扱っていたが入荷するたび近所の子供たちで取り合いになっていたものだ。

そんな昔を思い出しながら店内にズラリと並んだ「ガンプラ」たちを見て

「ああ、小学生のころの僕が今ここにいたら大興奮だろうなあ」

なんて考えながらとりあえず大きめのヤツを買ってきた。

家に帰って冷静になって買ってきたガンプラの箱を見る。

正直に今の本音をいうと、なんだか買ったことで満足して作る意欲がしぼみかけているような気もしないでもない。

おいおい飽きるのが早すぎだろう。

いくらなんでも。

f:id:yo_kmr:20190106200637j:plain

 

気持ち的に落ち込むときはどうしてもあるので逆らわずに落ち込んでみよう

9クール目の抗がん剤投薬後から13日経過

長めの休薬期間ということもあり、今日になって少しは元気が出てきたようだ。

日課のウォーキングの時に「全身に気を張って歩く」というのを久しぶりにやってみた、というかそんなことにも気が回らなかったくらい最近はつらかったんだなと、つくづく思った。

ここ1~2ヵ月はやはり相当つらかったんだろうなとまるで他人事のように考える。

つらかったとはいえ、実際もう過ぎ去ってしまったことだから、つらい過去のことを思い返して必要以上にネガティブになることも無いと思う。

「抗がん剤でつらい経験をした」という過去の事実があるだけで、今この瞬間の僕自身とはあまり関係がないし、過ぎたことをあれこれ考えることはあまり建設的であるとは言えない。

それに考えまいと思っていてもいつかは「精神的なネガティブの波」はどうしてもやってくる。

精神的なネガティブとポジティブには波があるということはこれまでの経験から分かっている。

そのネガティブの波が来たらその時に波に逆らわず、クヨクヨと考えればいい。

泥臭いネガティブのプールに浸かってどろんこ遊びを楽しめばいい。落ち込みたいだけ落ち込めばいい。

f:id:yo_kmr:20190106185920j:plain

 

他人との比較ができない抗がん剤治療

それと癌や抗がん剤については何もかもが初めての経験なので過去の自分自身との比較ができない。

そりゃあ1クール目の抗がん剤治療と9クール目の抗がん剤投薬後の比較はできるけど、回を重ねるごとにつらくはことは医師や薬剤師から聞いていたので予想通りと言えば予想通りだし、つらさの増幅具合がどの程度かは実際に回数を重ねてみないと分からないことだし。

身近に同じような経験をした人がたくさんいるわけでもないし。

小学生のころの予防接種のように先に注射を受けた友達に

「ねえ?どうだった?痛かった?」

みたいな感じで聞くようなことが、この抗がん剤治療でもできればいいけどなかなか難しい。

 

食べれる量が増えるとうれしい

9クール目の抗がん剤投薬後から14日経過

投薬から14日経ってもまだまだ休薬期間は続いているので気持ちに余裕がある。

長めの休薬期間ということもあり、今日の晩御飯は久しぶりにたくさん?食べれた。

「たくさん」と言っても最近の僕の食べる量と比べてのことで、抗がん剤治療を始める前の僕からしたら鼻で笑っちゃうような量だけど。

抗がん剤投薬後はなぜだか日中に比べ、夜になると気分がすぐれなくなるので夕食も食欲がわかずにあまり食べられなかった。

昨日までは夜はだいたい納豆1パックと味噌汁又はカップスープとサラダ、あと果物を少々って感じだったけど、今日は納豆1パックと野菜をたくさん入れたトマトスープに焼き芋少々と果物少々と甘栗を食べた。

ここまで書いて気付いたが、そんなに目を見張るほどたくさん食べたわけじゃなかった…

f:id:yo_kmr:20190106185952j:plain

 

でも、ここんとこ食欲も無く気分も悪かったので、少しでも多く食べられたのがうれしかったんだ。