44歳の僕がステージ4の大腸がんと診断されて

2016年大腸がん発覚。手術後、腹膜への転移が確認されステージⅣだと告知される。その後半年間に及ぶベクティビックス抗がん剤治療を受ける。2018年12月がん再発。アバスチン抗がん剤治療を受ける。48歳になりました。

抗がん剤治療終了から4ヵ月目の検査を受けに病院へ(血液検査とエコー検査)【がん闘病記123】

この記事ではヨシノ (id:yo_kmr)が2017年の5月上旬に書いたメモをまとめています。

血液検査とエコー検査

2017年5月。

抗がん剤治療終了後4か月目の経過観察の検査で病院にきている。

今日は血液検査とエコー検査をする予定だ。

毎度のことながらやはりこんな日はいつも不安になる。

合格発表を見に行く受験生のような心境だ。

何も異常がなければ合格。

異常が見つかれば不合格。

もし不合格だったらどうしよう…

何かネガティブなことを言われたらどうしよう…

癌という病気の特性上、再発等のネガティブな事柄は死に直結しかねない。

ホントに本当の死活問題なのだ。

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日常生活の中でもその不安はある。

ちょっと背中が痛かったり、お腹の一部が痛かったりすると、

「癌が原因でその痛みが来ているのではないか?」

と思ってしまう。不安になってしまう。

検査時間が長いと不安になる

最初の血液検査の採血はいつも通り終わった。

その後エコー検査をする。

エコー検査は前回大腸がんの手術をする前に受けて以来だから約1年ぶりになる。

お腹の周辺にジェルのようなものを塗られたあと、バーコードリーダーのような機械をお腹に当ててそれをいろんな角度に動かして検査を行う。

検査を受けている最中も常に不安がよぎる。

「なんか前回より検査の時間が長い気がする…もしかして癌が見つかったのか?」

たいした根拠もないのに不安だけが先行してグイグイ僕を引っ張っていくようだ。

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検査がひと通り終わって診察室の前で震えて待つ。

「ああ、今回はダメかも…再発の兆候があるとか言われたらどうしよう…」

根も葉もない根拠も無いネガティブな思考が絶えず行ったり来たりしている。

「今回は死刑宣告されるのか、それともまだ先になるのか?」

そんなことを考えているうちに名前が呼ばれ、診察室に入ると担当医のウエノ先生が口を開く。

先生の雰囲気から検査結果を読み解こうとする

「今日はエコー検査してもらったんですが…」

 

あ、先生の言葉の抑揚というか雰囲気でなんか大丈夫なような感じがする。

 

「エコー上では特に異常は見られなかったですね」

ひとまずはホッとする。

「それで血液検査の方なんですが、腫瘍マーカーの数値も範囲内で異常なさそうです」

腫瘍マーカーの数値も大丈夫みたいだ!ああ、今回はなんとか死刑宣告は受けなくてよさそうだ。

先生は続けて、

「今回は大丈夫…なんていうと語弊があるけど今のところは大丈夫そうですね。まあこればっかりはなんとも言えないけど…」

そう言う先生の背後には今まで何度も再発していく患者さんを見てきたのだろう。ということが暗に見て取れる。

そして先生が冗談まじりに

「それよりもヨシノさんちょっと太ったねえ、やっぱり抗がん剤が終わってご飯が美味しくなったかね?」

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あーやっぱり指摘しちゃいますか?そこらへん。

「いやあ、一時期かなり食べ過ぎたんで今はダイエットしてます…」

先生に体重の増加のことを指摘されるとなんだか申し訳ないやら恥ずかしいやらそんな気持ちになる。

なぜならせっかく助けてもらったこの命この身体をなんだか粗末に扱っているように感じるから。

日々の食生活や体調管理は僕の方でコントロールすべきだし、こういうことは突発的な不慮の事故でもなくコントロール可能な領域だ。

いくらお菓子が食べたくなっても「食べる」か「食べない」かの選択をしているのは僕自身だ。

仮に薬の副作用で食欲が増進されたとしても「それでも食べない」という選択も可能なはず。

だからもうちょっとしっかりせねばと肝に銘じるばかりだ。

そして先生は加えて、 

「血液検査を見る限り、コレステロール値が高いとかそういうのは無いけど、もし高い場合は運動不足だったりするんですけどね」

とおっしゃっていた。

どうやら毎日のウォーキングは無駄ではなかったようだ。

「その他、何か気になることはありますか?」

と先生が言うので排便についてちょっと気になってることを聞いてみることにした。

便意をもよおすとすぐ出てしまう問題

実を言うと最近便意のコントロールが上手くできていない。

「あっ、出そう…」

と思った次の瞬間から理性での抵抗空しく出てしまうので、恥ずかしながらこれまで何度か粗相してしまったほどだ。

そのことを先生に相談してみることにした。

「なんというか、便意が我慢できないんですね。便意を感じたらすぐ否応なしに出るというか…そういうのはやっぱり手術で大腸を20㎝くらい切り取った影響なんでしょうか?」

「うーん、そのうち我慢できるようになると思いますよ。手術後に括約筋が弱まっているということもありますしね」

割とあっさりとした答えだったが、時間と共に改善されるのならそれに越したことはない。

こればっかりは経過を見守るしかない。

 

次回は2ヶ月後にCT検査をする予定を組んで、この日の診察は終わった。

なんだかまた2ヵ月間の寿命をもらったように感じる。

この先の2ヵ月はなるべく癌のことは気にしないで生活していこう。

なるべくに。