44歳の僕がステージ4の大腸がんと診断されて

2016年大腸がん発覚。手術後、腹膜への転移が確認されステージⅣだと告知される。その後半年間に及ぶベクティビックス抗がん剤治療を受ける。2018年12月がん再発。アバスチン抗がん剤治療を受ける。48歳になりました。

がん再発時の余命は平均4~5年【5クール目の抗がん剤治療で入院】

がん再発時の余命は平均4~5年だと医師に告げられた【5クール目の抗がん剤治療で入院】

この記事ではヨシノ (id:yo_kmr)が2019年の3月中旬に書いたメモをまとめています。5クール目の抗がん剤治療(アバスチン)で3日間入院したときのことをまとめています。このときは医師から言われた余命の件で激しく落ち込み動揺していました。

5クール目アバスチン抗がん剤投薬での入院1日目

2019年3月。

今日から5クール目のアバスチン抗がん剤の投薬で3日間入院することになっている。

今朝鼻をかんだらティッシュに少し血が付いたので、まだ抗がん剤の副作用は抜け切れていないと思われる。前回の抗がん剤治療の影響がまだ残っている状態で次の抗がん剤の投薬をしなくてはならないと思うと気が重い。

いつもどおりに病院に到着したが、看護師さんの話によると今日は病棟のベッドの都合がまだつかないらしい。

まあ、こんなことはこの大きな総合病院ではよくあること。

どうしてもベッドの都合がつかない場合は今日は入院せずに帰ることになるのかもしれない。

病院に着いてから体温を計ると36.8あった。いつもよりも少し体温が高い。

精神的にも肉体的にもこれから行われるであろう抗がん剤治療に拒否反応をしめしているのか。

ベッドの件はどうなるかまだ分からないが、とりあえず採血だけはすることになった。

採血を済ませて1時間以上待ってから(血液検査の結果が出るまで1時間以上かかるので)診察室に呼ばれて入る。

大腸がん患者の癌が再発した場合の余命は4~5年

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担当医のアマキ先生によると血液検査の結果としては特に問題はないらしく予定通り5クール目の抗がん剤治療が行われることになった。病室も無事確保できたようなのでもう観念して抗がん剤治療を受けることにした。

この5クール目の抗がん剤が終われば経過を見るためにCT検査をすることに。

そこで今後の見通しというか治療方針についてアマキ先生に聞いて見た。

「やっぱりずーっとこの治療を続けていかないといけないんですか?」

「そうですね。抗がん剤をやめるとがんが増悪する可能性は高くなりますので出来るだけ治療は継続された方がいいと思います」

「でも、いつまでもこの薬が効くかも分からないんですよね?」

「そうですね。薬の効果によっては人それぞれです。5クールで終わる人もいるし、20クールまで行く人もいます」

「ああ、そうなんですか…」

「それと少し厳しいことを言いますと、この薬でがんがなくなるということは期待されない方がいいと思います」

「…、はあ…」

「それでも前回のベクティビックスも今回のアバスチンも効果としては期待値の高いものです。治療方針としてはなるべく効果の高いものから使っていきたい。というところです」

「そうですか、なんだか話を聞いているとどんどん狭まっていくというか、どん詰まりに向かっていってるような感じがするんですが…」

「ええ、やはり厳しいことを言うことになりますが、大腸がんのステージ4の患者さんの余命は半年だと言われることが多いですがヨシノさんの場合は半年以上生きてらっしゃいますよね?」

「ええ、そうですね」

「ただ再発ということになるとデータ的には余命は4年から5年と言われています」

「はい…」

「ただ、効果がない薬を使い続けても副作用がつらいばかりであまり意味がないと思われます」

「その効果を判定するためのCT検査だったり腫瘍マーカーだったりするわけですか?」

「そうです。ただヨシノさんの場合手術後は腫瘍マーカーはずーっと一定なんですね。去年の11月(2018年)にCT検査でがんが見つかった時もあまり変化はなかったんで腫瘍マーカーだけに判断基準をたよるのもどうかと思います」

「そうですか………分かりました。耳障りのいい言葉だけにすがるでなく、現実を知り受け入れた上で行動と選択をすべきだと思ってます」

「それともうひとつ。ご家族の方に病状のお話はされていますか?」

「母には『抗がん剤治療をつづけなくちゃいけない』くらいは言っていますがあまり詳しい話はしていません」

「そうですか、たまには病状についてお話しをされて意思疎通をしていた方がいいと思いますよ」

「分かりました。ありがとうございました」

なんだかめちゃくちゃキツいことを「ちょうどいいからここで言っとくか」的な感じで言われたような気がする。

さらっと余命宣告された感じだ。

失意の中、診察室を出た。

治療ではなく延命だということ

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この話は正直ショックだった。

僕の今後の人生で抗がん剤治療はずっと続いていく。

この苦しみは死ぬまで続く。

これはもう治療ではない。延命なのだ。

『この薬でがんが消えることはない』、『余命は4~5年』、先生から言われたこの言葉がなんども頭の中を行ったり来たりする。

44歳でがんと診断されたから、余命が4年だとしても48歳までしか生きられない。今現在が3月で今年の7月には48歳になるから、僕の余命としてはもう1年を切っている。

そして最後の方はがんの病状に苦しみながら痛みに耐えながら生きていくことになるかもしれない。

ああ、つらい…悲しい…

また「死」というものに向き合わないといけないのか。

またあの焼かれるような焦げた皮膚が泡立つような恐怖にこの身を晒さないといけないのか。

もう救いはないのか。

このままどん詰まりに向かっていくだけなのか。

行きつく先は行き止まりの袋小路。崖っぷち。絞首台の上。そんな場所に向かっていくしかないのか…

いやだ、そんなのはいやだ、助かりたい、だれか助けて欲しい…

 

抗がん剤はまだ一滴も入っていないのに、もう吐きそうになっている。

病棟に上がり5クール目の抗がん剤治療開始

13:30ごろ、最初の点滴が始まる。

16:00ごろ、最後の点滴が始まる。

19:00ごろ、吐き気が上がってきたのでナースコールして吐き気止めを飲む。(ナウゼリン)

22:00ごろ、睡眠導入剤のゾピクロン飲んで就寝。

5クール目のアバスチン抗がん剤投薬での入院2日目

朝起きてからの体調は昨日に比べればマシといった感じ。朝の時点では昨日の夕方ごろに感じた強い吐き気は今の所ない。

18:30ごろ、吐き気が上がってきたのでナースコールして吐き気止めの錠剤を飲む(ナウゼリン)

21:00、睡眠導入剤のゾピクロン飲んで就寝。

やはりこれまでと同様、夜になると体調が悪くなる傾向にある。

5クール目のアバスチン抗がん剤投薬での入院3日目

朝起きてからの体調としてはそれほど苦しくはないといった感じ。

結局この日は追加の吐き気止めを飲むことも無かった。

15:00ごろ点滴終了。

今回は最後の長時間かかる点滴の速度を12速から13速(1時間当たり12ml入れるか13ml入れるか)に変えてもらったので比較的早く終わった。

しかし早く終わったのはいいが、看護師さんとしてはこんなに早く終わると思ってなかったらしく、いつもなら点滴が終わる前に済ませておく退院の準備が間に合わずに退院処方の睡眠導入剤のゾピクロンなどを受け取るのに少し手間取った。

次回は点滴の残りの量を見ながら早めに伝えておこう。

退院するときの大まかな流れ

僕はもう慣れっこだが、退院するときはそれなりの手続きのようなものがある。

いつもは点滴が終わる前に

  • 退院時処方(退院した後で自宅で飲むお薬)の受け取り
  • 次回診察日・入院日の確認
  • 予約表やその他書類の受け取り
  • 入院費を会計窓口で支払うための会計伝票の受け取り(土日退院の場合は後日郵送で自宅へ届く)

などを済ませておいて、点滴が終わったら入院着を着替えて病室の荷物をまとめてからナースセンターへひと声かけて看護師さんに病室の最終確認をしてもらってから帰る。という流れになっている。

僕は点滴が終わったら即座に着替えて荷物をまとめてさっさと帰るようにしている。

とにかく病室特有の匂いが嫌なので1秒でも早く帰りたいので。