いよいよ最後の抗がん剤治療(12クール目)で3日間入院する【がん闘病記107】
この記事ではヨシノ (id:yo_kmr)が2017年の1月初旬に書いたメモをまとめています。
なんとか歳を越せて12クール目の抗がん剤治療で入院する
今日は2017年の1月4日。
2016年の5月に大腸癌が発覚し、手術→ステージ4告知→抗がん剤治療開始と目まぐるしく過ごしたが、なんとか生きて歳を越すことが出来た。
2016年はあまりにもいろんなことがありすぎて、まるでイベントのバーゲンセールのようだった。
ネガティブな出来事だと
- 1月に父さんが事故で急逝
- 5月に僕の癌が発覚
- 7月に母さんが風呂掃除中に転んで右手首骨折
- 12月に叔父が独居老人の孤独死寸前。その後がんで死亡
ポジティブな出来事は
- 4月に妹の第一子、ハル君が誕生
くらいだ。
2017年はどうか平穏な1年であって欲しい。
風邪と抗がん剤の副作用のダブルパンチは想像を絶するつらさだった
振り返れば去年は最後の最後まで大変だった。
というのも前回の11クール目の抗がん剤治療の退院後にひどい風邪をひいてしまい、半月ほどずっと寝たきりだった。
これが今までの中でダントツにつらかった。
ただでさえつらい抗がん剤の副作用に加えて風邪の症状が重なって最悪だった。
さらに輪をかけて抗がん剤の影響で免疫力が下がってるせいもあってか、なかなか風邪が治らず何日も寝たきりで何もできなかった。
外出時はマスクを着用しうがい手洗いなどはやっていたが、それでも油断があったのだろう。
油断していた自分が悪いのだがホントに酷い目にあった。
抗がん剤治療中の風邪は本当に気をつけないといけない。
今はなんとか復調して最後の抗がん剤治療のため病院に来ている。
先生がポジティブなこと言ってくれるのはうれしい
心配していた血液検査の結果は問題無かったので、予定通り最後の抗がん剤治療が行われそうだ。
問診の時に12クール目の抗がん剤治療が終了した後の予定について少し担当医のウエノ先生と話す。
この12回目の抗がん剤治療が終わればその2週間後にPETCTという癌細胞が写りやすいCT検査をする予定になっている。
「今までの血液検査の結果では腫瘍マーカーの数値はいつも範囲内だったので、次のPETCTでの検査でも問題無い可能性が高いですよ」
と、先生が言ってくれた。
何事にも慎重な先生が珍しくポジティブなことを言ってくれたので嬉しかった。
でも、まだ検査の結果が出るまではなんとも言えない。
ぬか喜びになる可能性だって十分にあるので検査結果が出てから右往左往すればいいと思っている。
PETCTについての説明も受けたがこの検査、結構大変な検査らしい。
癌細胞が通常細胞より好んで吸収するブドウ糖に放射性物質つけたものを身体に入れるので、検査後は妊婦さんや小さな子供には近づかないでくださいとの説明を受けた。
そんなことを言われると急に恐ろしくなってしまう。
検査後はあまり人には近づかないようにしよう。
12クール目の抗がん剤治投薬での入院2日目
体調としては指先の痺れ、倦怠感、肌の疾患などがある。
しかし、考えてみるとつらさ的には12クール目の今がつらさ度MAXってわけでも無い。
指先のひび割れなどは治まってきてるし、頭髪の抜け毛も減った。
倦怠感はあるがつらさ度的には5~6くらいで一番つらかった時ほどでは無い。
回を重ねるごとにつらさが増してくると思っていたので
「最後が一番つらいんだろうな」
と身構えていた分、少し拍子抜けだ。
入院最終日。長かった最後の点滴が終わろうとしている
もうじき最後の点滴が終わろうとしている。
たいしたアクシデントもなくなんとか無事終わりそうだ。
つらさとしては前回の11クール目の抗がん剤治療のときと同じくらいだろうか、やはりつらいのはつらい。
しかし、12回やりきったと思うと感慨深いものはある。
みんなの助けがあってこそ
最初の頃は
「こんなつらいことが12回も続くのか…」
と絶望したものだが、予定とはいえとうとう終わりまできた。
長かった…
長く苦しい道のりだったが、これまで続けてこられたのも治療に集中できたからだろう。
以前、ウエノ先生がアシスト役の看護師さんに僕のことを
「この人は相当がまん強い人だから」
と話していたが、僕自身はそうは思わない。
僕はそれほど強い人間ではない。
もし仕事をしながら抗がん剤治療を続けていたら副作用のつらさから逃げるために仕事を理由にして途中で抗がん剤治療を止めていたかもしれない。
とりあえず僕の場合はがん保険などに加入していたので標準治療で受けられる治療費の心配はなく、仕事も自営なのですんなり辞めるというか自分の都合で仕事を休むことができた。
免疫力を高めるためにもなるべくストレスは少ない方がいいと思い、治療中はのんびり過ごそうと決めた。
そのおかげもあってこれまでやってこれたのだと思う。
それに家族のみんなや周囲の人達の協力も忘れてはならない。
僕は癌患者
あとは次の検査にかかっているけど検査の結果がよかったとしても僕が「癌患者」というカテゴリーから外されることは無いと思っている。
よっぽどの癌の特効薬でも開発されない限り、僕はこれからもずっと癌患者だし再発の恐怖をどこか頭の隅に抱えながら暮らしていかないといけないんだと思う。
油断しないために、自分はがん再発の可能性を内包しているということを忘れないためにも癌患者であることを忘れないでいよう。
そんな中で僕は「幸せな癌患者」であることを目指そうと思う。
世界で一番幸せな癌患者であることを。