44歳の僕がステージ4の大腸がんと診断されて

2016年大腸がん発覚。手術後、腹膜への転移が確認されステージⅣだと告知される。その後半年間に及ぶベクティビックス抗がん剤治療を受ける。2018年12月がん再発。アバスチン抗がん剤治療を受ける。48歳になりました。

8クール目の抗がん剤治療の休薬期間最終日まで【がん闘病記91】

この記事ではヨシノ (id:yo_kmr)が2016年の10月下旬ごろに書いたメモをまとめています。

8クール目の抗がん剤投薬後から8日経過

2016年10月。

正直なところ、もう普通に食事を楽しむってことはしばらく無理だろうなって思った。

なぜなら抗がん剤投薬後からの休薬期間が8日たっても舌の痺れはおさまらないから。

この舌の痺れが明日には劇的に回復するってことは難しい。

抗がん剤の副作用の回復スピードは人にもよるだろうけど、僕の場合はたとえば寒空の中わずかな日光で溶けていく氷柱のようにゆっくりとじわじわしたものだ。

しかも3日後には9クール目の抗がん剤治療が始まる。

9クール目の抗がん剤治療は今までにないくらいつらいものになるだろう。

今の調子でいくと、おそらく投薬後の11日間の休薬期間があっても副作用はずっと続くものだと思われる。

だから舌の痺れが回復した状態で、まともに食事を楽しむなんてことはこの先しばらくは無理だと予想する。

仮にこの先予定通り抗がん剤治療が終わったとしても、全部終えるまであと2ヵ月、それに副作用が身体から消えるまでそこからさらに2~3ヵ月はかかるだろう。

だからもう普通の食事を楽しむことはしばらくはあきらめることにした。

こればっかりは逆らいようがない。

食べられるのを食べられるだけ食べていこう。 

髪の毛の薄さをみんなから指摘される

8クール目の抗がん剤投薬後から9日経過

とうとう来るべき時が来たようだ。

今日、母から

「あれ?あんたやっぱり頭薄くなったね。頭頂部あたり地肌が見えてきてるよ」

と言われた。

ああ、ついに来てしまったかこの時が…

毎日のシャンプーで引くくらいの抜け毛があったけど、見た目にもハゲてきたとは…

しかし頭頂部というのは自分では気づきにくく、今まで気づかなかった。

鏡では風呂上りに真正面の姿しか確認しなかったせいもあるのだろう。

 

久しぶりに会った甥っ子からも「あれ?髪切った?」

とタモさん風に聞かれたが

「いやいやいや、散髪なんてここ半年以上行ってないよ。単純にハゲただけー」

と言っておいた。

しかし冷静に考えると、この期に及んでもいまだに毎日シャンプーの後にトリートメントをしてる自分にちょっと笑えてくる。

キューティクルとかそんなことを気にする以前の問題だろ!

ダメージケアとか髪のまとまりとか気にするほど僕の髪の毛はもう残っちゃあいないんだよ、現実を見ろよ。と自分自身に言いたくなる。 

頭頂部周辺はよく見たら生まれたてのヒヨコのアホ毛ほどしか髪の毛が残ってないじゃないか。

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2016年ももうすぐ11月になる。本格的な冬の訪れとともに頭も寒くなるなんて…

いよいよもってハゲ隠しの帽子が手放せなくなってきたなこりゃあ。

 

舌が痺れているとつらい

8クール目の抗がん剤投薬後から10日経過

まだまだ僕の舌は絶賛痺れ中だ。

もうこのまま抗がん剤治療が終わるまで、終わってからも数か月はこのままの状態なんだろう。

食事がまともにできないということはつらい。

つらいので今日はもう寝てしまおう。

 

がん患者はナーバスになりがち?

8クール目の抗がん剤投薬後から11日経過

今日から11月になり2016年も残すところあと2ヵ月を切った。

この調子なら今年いっぱいは生きていられそうだ。

 

僕以外の人がどうなのかは分からないけど、癌患者って割とナーバスになりがちだと思う。

他人のほんの些細な一言だったり、ちょっとしたきっかけで落ち込んだりする。

落ち込む理由はそれぞれあると思うけど、往々にしてそれが自分の死と直結しているからだと思う。

癌患者にとって自分自身が癌患者であることを忘れることは難しい。

僕自身、抗がん剤の副作用で身体が苦しくなるたびに自分自身が癌患者であることを思い出す。

「自分は癌患者なんだ→治る見込みは少ないんだ→もうじき命が尽きるのかもしれない」

そんな図式をついつい連想してしまいがちだ。

そんなことを考えていても何の得にもならないことは分かっているのに。

これも抗がん剤の弊害のひとつだと思う。

なんとか副作用が軽減できればと思うがこれが今の現代医療の限界なのだろうから、しかたないのだろう。

 

明日から9クール目の抗がん剤治療が始まる。

僕は45歳のいい大人なんだけど、こんな僕だってたまには誰かに

「ここまでよくやったな」

なんて褒められたい。ちやほやされたい。

でも誰も褒めてくれないからさみしいんだよね。