44歳の僕がステージ4の大腸がんと診断されて

2016年大腸がん発覚。手術後、腹膜への転移が確認されステージⅣだと告知される。その後半年間に及ぶベクティビックス抗がん剤治療を受ける。2018年12月がん再発。アバスチン抗がん剤治療を受ける。48歳になりました。

抗がん剤の服作用の下痢対策で「離席食事法」というものを思いついた

抗がん剤の服作用の下痢対策で「離席食事法」というものを思いついた 

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この記事ではヨシノ (id:yo_kmr)が2019年の5月上旬に書いたメモをまとめています。抗がん剤の副作用の下痢対策として考え出した「離席食事法」について書いています。

ゆっくりよく噛んで食べることの重要性

かねてから「なるべくゆっくり時間をかけて食事を取る方法はないものか?」と考えていた。

「ゆっくりよく噛んで食べる」ということは僕の人生のテーマのひとつでもあり、そのことが健康面でポジティブに働くことは間違いないと思っている。

ゆっくりよく噛んで食べると、どんなメリットがあるのか?

  • あごをよく動かすので顔の筋肉が鍛えられる
  • 唾液の分泌が良くなる
  • 食べ物が細かく砕かれるので、胃腸の負担が減る
  • 脳の循環血液量が増加し、噛む圧力は脳に刺激を与え、知的発達やボケ防止に役立つ
  • 時間をかけることで満腹中枢が刺激され、食べ過ぎ予防になる

など、さまざまな効果が期待できると思う。

しかし、これまでいろんな方法でこの「ゆっくりよく噛んで食べる」というテーマにチャレンジしたが、ことごとく失敗してきた。

なぜなら僕は食い意地が張っているから。

理想を言えば落ち着いてゆっくりと食事をし、いったん箸やフォークを置いて一緒に食事をしている人と会話を楽しんだりして優雅に食事するのがベストだとは思う。しかし、食い意地が張っている僕は目の前に食べ物があれば、ついついパクパクと口の中に食べ物を放り込んで早食いになってしまう。

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「どんどん食べたい、早く飲み込みたい」という気持ちから、おのずと噛む回数も減り、食事時間も短くなってしまうので、だいたい僕の食事時間は5分から10分くらいだった。

「早飯も芸のうち」なんて言葉もあるが、そんな芸は僕にとっては不要なものだと思うし、この習慣はなんとかしたいと思っていた。

抗がん剤の副作用の下痢の症状を軽減したい

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特にがん患者である僕は抗がん剤治療の副作用による下痢の症状に悩まされるようになったので、この習慣の改善は一刻を争う事案になった。

今やっているアバスチン抗がん剤の主だった副作用はふたつで、それは「吐き気」と「下痢」の症状がつらいものになっている。

抗がん剤を投薬してからは吐き気が強くなり、吐き気がおさまってくると下痢に悩まされるといったパターンで、吐き気が強いときは食事はしないが、吐き気がおさまり食事をするようになると下痢になる。

抗がん剤はがん組織だけでなく、正常細胞にもダメージを与えるので、抗がん剤でダメージを負っている胃腸に消化吸収という仕事をさせるとオーバーワークになり、下痢になるのではないかと考えている。

そういった理由から、なんとかして胃腸の負担を減らすことができないかと思い、考えたのが「離席食事法」だった。

離席食事法とは

離席食事法とはゆっくりよく噛んで食べるということを目的として考えたもので、食事の途中で席を立ち、別の部屋へ移動して別のことをしつつ、その間は口を動かして咀嚼をしてからまた席について食事に戻るというもの。

離席食事法のやりかた

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離席食事法のやりかたと言っても実にシンプルで、それは食事の途中で席を立ち、別の部屋で別のことをするというだけのこと。

実際に僕がどうやっているかというと

  • 食卓に食事を用意する。
  • 食事を始めて、多めに食べ物を口の中にほおばる
  • 席を立ち、別の部屋へ移動して、パソコン作業など別のことをしながら口の中の食べ物をかむ
  • このときすぐに飲み込まずに、なるべく100回以上かむことを心がける
  • 100回以上かんだら徐々に口の中の食べ物の咀嚼を続けながら、少しづつ飲み込んでいく
  • たくさん咀嚼をしつつ、口の中の食べ物がなくなったら食卓に戻ってまた口の中に食べ物をほおばって席を立つ。この繰り返し。

という流れ。

ポイントとしては「視界から食べものを消す」ということと、「たくさん噛む、咀嚼する」ということ。

僕の場合は目の前に食べものがあると、つい急いで食べてしまうので、いったん自分の視界から食べものを消すという理由から席を立ち、別の部屋に移動するようにしている。

そしてなるべくたくさん噛むためにパソコン作業など別のことをするようにしている。理想は目を閉じて静かにじっくりと食べ物の味をあじわいながら100回以上噛むことのほうがいいのだが、僕としてはその時間は退屈なものになる

それに食事の食べ始めなど、お腹が空いているときは特に早く口に入れたものを飲み込みたくなるのでその意識をそらすという意味でも他のことをするようにしている。

別の部屋ですることはテレビを見たり本を読んだりスマホをいじったりと、退屈にならないことなら何でもいいと思う。

そしていちいち食事する部屋と別のことをする部屋を移動するので、おのずと食事時間も長くなる。食事時間が長くなれば満腹中枢も働いてきて食べ過ぎの防止にもなると思うし、一度に胃の中に入る食べ物の量も少なくすることができる。

離席食事法のデメリットとは

離席食事法のデメリットをあげるとするならば

  • 行儀が悪い。立ったり座ったりがめんどくさい
  • 外食中などはむずかしい

ということがあると思う。

食事中に席を立ったり座ったり、あちこちウロウロしたりすることは、決してマナーのいいものでも行儀のいいものでもないと思う。同席している人が不快に思う場合もあるかもしれないのでその時はちゃんと理由を説明したほうが良いと思う。

本当に正しいのは行儀よく座って、ゆっくり時間をかけ、よく噛んでじっくり料理を味わって食べるということだと思うけど、僕にはそれができなかった。

食い意地が張ってるし、噛んでいる時間は退屈だから。

「行儀よく食事をすること」よりも「時間をかけてゆっくりとよく噛んで食事をとること」の方が重要だと考えたので止む無くこの方法をとった。

そしてもうひとつ、この方法は場所を選ぶということ。

飲食店での食事の場合、食べ物をいったん視界から消すということは、店の外に出ないといけないこともあるので、ちょっと難しいかなと思う。なのでこの方法は僕も自宅で食べる時以外はできていない。

実際に離席食事法を試してみた結果

実際に抗がん剤の投薬後4日目くらいから、この方法を試してみた。

ひと口、と言ってもなるべくたくさん口の中に食べ物を入れてから、別の部屋へ移動して咀嚼をしながらパソコン作業などをした。

今までなら食事時間は5分から10分くらいでぱぱっと終わっていたが、この方法を実行してからは食事の時間は30分くらいかかるようになったし、噛む回数も格段に増えたと思う。

そのせいかどうか分からないが、あまり下痢の症状は出ていない。

いつものパターンからすると抗がん剤の投薬後4日経った日は下痢の症状が出ていてもおかしくない。

本当にこの方法が抗がん剤の副作用の下痢の軽減になっているかどうかは分からないが、ひとつ確かなことは咀嚼する回数が増え、胃の中に入る食べ物が細かく砕かれたことに加え、一度に胃の中に入る量も少なくなったので、胃腸の負担は減っていると思っている。

特に「早食い」の習慣を改善しなければならないと思っていたので、とりあえずはこの方法を実践していってみようと思う。

時間をかけて食事をすることで満腹中枢が働いて食べ過ぎの予防にもなるのでダイエットにも向いていると思う。