3クール目の抗がん剤治療で再び3日間入院する【がん闘病記49】
この記事ではヨシノ (id:yo_kmr)が2016年の8月上旬ごろに書いたメモをまとめています。
抗がん剤の投薬はできることになったけど入院できないかも
2016年8月某日。
今日から3クール目の抗がん剤治療が始まる予定。
先日風呂場で転んで骨折して右手にギプスを巻いた母さんを家に一人残して入院するのはちょっと心配だけど、近くに住んでいる弟夫婦がちょくちょく様子を見に行ってくれるというのでそこらへんはお任せして化学療法を受けるためにいつもの総合病院にやってきた。
まず今の体調を注意深く観察する。抗がん剤治療1~2クールまでの副作用の影響はどれほど残っているのか?
少し下痢気味ではあるが、それ以外は特に問題は感じられない。
そして血液検査と先生の問診が終わり、検査の数値に問題がなかったので3クール目の抗がん剤治療が開始されることになった。
空きベッドが無い
しかしここで問題が発生した。
病院側の事情として前回に引き続き、今回も空きベッドが今のところ無いらしい。
今日も今日とて院内は患者さんで溢れかえっている。
最近夏の暑さも本格化してきて体調を崩す人も大勢出てきたのかな?こればっかりは仕方がない。
どうしても入院したければ差額ベッド代を払って個室に入ればいいんだけど、僕としては抗がん剤がキツいので少しくらい延期になってもらったほうがありがたいし内心では延期になって欲しいと期待している。
あーどうかこのまま帰れますようにと。
外科外来の看護師さんは「どうにか対応しますので待っててください」と言ってあわただしく関係各所に連絡している。
しばらくは待つ事になりそうだ。
外来で化学療法を受けることができる外来治療センター
1時間以上待合ロビーで待っていると外科外来の看護師さんが申し訳なさそうにやってきた。
お、これはベッドの都合がつかなくて入院は延期かな?と不謹慎にも期待した。
看護師さんが言うには午前中にベッドはどうしても空かないが、午後からなら5階病棟のベッドが空く都合がついたらしい。
でもそれでは抗がん剤の投薬開始が遅れてしまうので、それまで3階の外来治療センターで抗がん剤の投薬をすることになった。
くう~延期になると期待していたのに残念だ。などと、せっかく段取りをつけてくれた看護師さんの苦労を無にするような身勝手で失礼なことを考えつつ3階の外来治療センターに向かう。
日帰りで抗がん剤治療を行う外来治療センター
外来治療センターには初めてくる。
ここは外来で抗がん剤などの化学療法を受けに来る人のための部屋らしい。
要するに入院せずに通いで抗がん剤の投与をすること。
僕が今やっているベクティビックス抗がん剤も外来で投薬可能だと先生が以前言っていたので、もし外来の方を選択していたらここに通うことになっていたのかな。
外来治療センターではいつも入院している病棟の病室のものより簡素な感じのベッドが横一列にずらーっと並んでいて簡単なカーテンの間仕切りがしているだけ。
いつもの4人部屋が10人部屋になった感じだ。
既に何人かの人達が点滴を受けている。
全員をじろじろ見るわけにはいかないけど、患者さんの服装も普段着といった感じで終わり次第帰りますよって雰囲気だった。
どちらかというと女性、主婦っぽい感じの人が多かった印象。
12:10ごろ外来治療センターで点滴開始
僕はこのあと帰らずにがっつり入院する予定なので、もうここで入院着に着替えてしまう。
ここではあからさまに入院患者のかっこうの僕の方がちょっと場違いな感じだけど病院が貸してくれる病衣に着替えた。
病衣のレンタル料は1日50円。(僕が入院している総合病院では)
もちろんパジャマなど持参してもいいけど荷物が増えるとめんどくさいので毎回借りることにしている。
ほどなくして13:30ごろには5階の一般病室のベッドが空いたとの知らせがあり、4人部屋の病室に移動。
短い外来治療センター生活だったけど珍しい経験ができて面白かった。
最初の大腸がん摘出手術から数えると入院も今回で4回目になる。
もう慣れたもんで病室に入るとテキパキと荷物を広げて入院準備完了。
準備と言ってもBOXティシュとお茶を飲むためのプラコップ、洗面用具、タオルなど出して携帯とIpad用の充電器をコンセントにさしてヘッドフォンを用意する程度だけど。
こうして再び二泊三日の入院生活が始まった。
入院2日目。抗がん剤の副作用で嗅覚に変化が
3クール目の抗がん剤投薬のための入院2日目。
朝の時点で現れている副作用は
- 倦怠感のつらさが10を最大に考えた目安でつらさ度2。
- 口の中が薬品っぽく苦い感じがして気持ち悪い。
- 胸が少しムカムカする。
- 食欲はあまり無い。
- 指先の皮膚のひび割れ。
そしてもうひとつ、今回の抗がん剤の投薬からその副作用の影響で鼻の感覚、嗅覚が変わったみたいだ。
この変化によって炊いたご飯が食べられなくなった。
温かいご飯から立ち上がってくる白米の匂いが気持ち悪い。
ムカムカする。
その他の匂いにも敏感になった気がする。
ここ総合病院では専属の栄養士さんが病院食の相談に乗ってくれる。
丁度いいタイミングで様子を見に来てくれた栄養士さんに抗がん剤の副作用からくる食欲減退や吐き気でご飯が食べづらいことを相談した。
いろいろと検討のした結果、
- 朝は比較的食べやすいパン食。主にパンと牛乳と果物。
- 昼は麺食。主にうどん、そば、にゅう麺など。
- 夜は普通にご飯とおかず。
というメニューにしてもらった。
朝と昼はまあまあ食べれるが夜のご飯が食べられない。
もう、ご飯の匂いを嗅いでるだけでムカムカしてくる。
まるでつわりで食べ物の嗜好が変わる妊婦さんみたいだ。(もちろん妊娠したこと無いけど)
ひとくちふたくちだけ食べて残してしまうので栄養士さんにご飯少な目にしてもらうようにお願いしておいた。
でもフルーツなどは食べれる。というか食べやすい。
水分が多いからかな?
1階のコンビニにスイカなどのカットフルーツが置いてあるのでそれらを買ってきて補助食みたいな感じで食べることにした。
ためしにコロッケもひとつ買って食べてみたがこれもなんとか大丈夫だった。
化学療法1~2クールの時にとっておいたメモによると食欲減退や吐き気がおさまってくるのは抗がん剤投薬後から4~5日はかかるのでそれまでご飯はやめておこうと思う。
お粥は大丈夫だったような気がする。
やっぱり水分が多いからかな?
入院最終日。抗がん剤は効かないという思い込み
3クール目の抗がん剤投薬のための入院最終日。
副作用の症状としては
- 倦怠感のつらさ度3
- 食欲減退・吐き気
- 指先の皮膚のひび割れ
といったところ。
点滴が終わるのは午後4時過ぎくらいになりそうだ。
けっこう倦怠感がダルくて午前中は寝てばかりだった。
抗がん剤を信用していない?
3クール目の抗がん剤の投薬を終えようとしているが、正直な心情として僕は心の中の数%はこの抗がん剤のことを信用してないと言うか、効かないんじゃないかって思ってるフシがあるような気がする。
もちろん僕の思考の大部分を占めているのは医師ら専門家のことを信じて治療をすべきということ。
でも、今まで見てきた癌をテーマにした医療ドラマや映画などではこの抗がん剤が結局効かなかったとか、苦労して保険適用外の高額な未認可の薬を使ってみたけどダメだった。
そんなネガティブな結末ばかり見てきたように思う。
ドラマの結末としてはハッピーエンドで終わるより主人公が亡くなってしまったほうが視聴者を感動させやすいせいなのかもしれない。
そういうところから抗がん剤に対する僕の不信感はけっこう根強いんだなあと感じた。
しかしこれらは僕の勝手な思い込み。
理性的に考えるとこれまで数多く同様の事案と向き合ってこられた医師の指示に従うことが最良だと思う。
餅は餅屋だということはこれまでの経験上身に染みて分かってきたはずだ。
しかしこれまで刷り込まれてきたネガティブな情報による不信感は風呂場のタイル目地に食い込んだカビ菌のように根強い。
結局のところ僕自身の実体験でどうなるか感じて判断することしかできないんじゃないかと思う。
現時点で不明なことに対してあれこれ判断や定義付けしても憶測の域を出ない以上あまり意味のないことだし、ネガティブな感情によって気分が落ち込んで免疫力が落ちても困る。
軽く考えよう。
言ってはみたものの、そんなに単純じゃないんだよねえ。
まいったまいった。
3クール目の投薬が終了
そして4時ごろすべての点滴が終わり無事に自宅に帰ることができた。
全12クール(予定)のうち、とりあえず3回消化したので残りは9回。
全工程の1/4消化したことになる。
25%達成したと考えれば、なんだか終わりに近づいてきている気にもなってくるから不思議だ。