44歳の僕がステージ4の大腸がんと診断されて

2016年大腸がん発覚。手術後、腹膜への転移が確認されステージⅣだと告知される。その後半年間に及ぶベクティビックス抗がん剤治療を受ける。2018年12月がん再発。アバスチン抗がん剤治療を受ける。48歳になりました。

4クール目の抗がん剤治療の休薬期間。投薬終了翌日から5日目まで【がん闘病記55】

この記事ではヨシノ (id:yo_kmr)が2016年の8月下旬ごろに書いたメモをまとめています。

4クール目の抗がん剤投薬終了の翌日

2016年8月。

今日は倦怠感がつらく、つらさ度9くらいありかなりキツい。

つらさレベル9

そして口の中が終始気持ち悪い。

実際に薬品を口に含んでるわけではないけど、苦い薬品が口の中で回っている感じがする。

舌は痺れたままなので食欲もない。

こんな日は早く寝てしまうに限るのでとっとと寝てしまおう。

 

4クール目の抗がん剤投薬から2日目。絶不調

朝はそうでもなかったが夕方になると倦怠感が酷くなる。

つらいときはつらさ度9くらいはある。

つらさレベル9

昨日と違って口の中に薬品が回っている感覚は多少はおさまってきたが口の中は痺れたままだ。

痺れたといってもヒリヒリしているわけではなく軽く麻痺している感じ。

口の中が痺れているかどうかは冷たいものを食べたり飲んだりしたときに分かる。

冷たい飲み物などが舌の上と喉を通るとき、なんだかピリっとしたような感じがするからだ。

でも、暖かい飲み物とか食べ物は平気。不思議だ。

 

4クール目の抗がん剤投薬から3日目。不調続く

昨日と同様、夕方になると倦怠感が酷い気がする。

つらさ度9はあると思う。

つらさレベル9

口の中も痺れたまま。

食欲は無い。

吐き気もある。

正直キツい。キツいけど、身動きが取れないわけじゃない。

車も運転して一人で出かけられるし、立って歩けないわけじゃない。

ただ薬が回ってる感覚がイヤなだけ。

僕の身体全体で抗がん剤の細胞毒に対してイヤイヤ言ってる。

ウエノ先生も言ってたけどホントに我慢比べだなこれは。

 

4クール目の抗がん剤投薬から4日目。まだ不調気味

倦怠感としては昨日よりかはマシなレベル。

つらいときはつらさ度8くらいはある。

つらさレベル8

食欲は無いが少しは食べれるようになってきた。

朝におにぎりひとつと昼にざるそば一人前を食べれた。

口の中は相変わらず痺れた感じはするが口の中で苦い薬品が回っているような感覚は和らいできた気がする。

身体はダルいが少しでも身体を動かそうと思い、夕方に近くの自然公園までウォーキングに行く。

体調がどうなるか少し不安だったが、やはり自然の中で身体を動かすのは気持ちがいい。

水分補給しながら歩いていくとそれなりに爽快感を味わうことができた。

 

4クール目の抗がん剤投薬から5日目。回復基調か

倦怠感はおさまってきた。

つらさ度でいうと5くらいかな?

つらさレベル5

でも食欲は相変わらず無くてご飯は食べられないけどスイカはおいしく食べられる。

けどさすがにスイカばかりもそろそろ飽きてきた…

夏が終わってスイカが出回らなくなったら何を食べればいいものか…

回転寿司は積んだお皿が元気のバロメーター?

夕食に母さんと回転ずしに行ってみたけど三皿くらいしか食べられない、ていうか舌が痺れてて味がわからない。

味が分からないものを口の中に突っ込んだところでそれを飲み込みたくは

ならない。

もりもり食べたいけど食べれられないジレンマがある。

元気な時なら10枚以上は軽く食べたお皿を積んでいたのにそれが今じゃ3枚とはなんだか切ない…

回転ずしの積まれたお皿が元気のバロメーターなのかな。

この状態がいつまで続くかは分からないけどしばらくは辛抱しよう。

僕が選択した未来

最近、喉の奥に違和感があり、食べ物が呑み込みづらくなってきている気がする。

入院するときいつも答えるアンケートの中に「食べ物が呑み込みづらいと感じる」みたいな項目があったのでこれのことなのかもしれない。

なんだかどんどん元気がなくなっていってる気がするがこれも僕自身が選択したことだから当然なのだろう。

「僕自身が選択した」とはどういうことなのか?というと。

最近気付いたのだけれど、今のこの状況に僕は幼い時からあこがれていたような気がする。

なぜこのような苦しい状況にあこがれていたかというと、幼いころから見ていた「特撮ヒーローもの」の影響なのだと思う。

いつもテレビで見ていたヒーローたちはボロボロに傷つきながら戦っていた。

爆風の中、口の端から血を流しながらよろよろと出てきたり、傷つき怪我を負いつつもそれに耐えながらしっかりと前を向いて戦うヒーローたち。

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そんなヒーローたちを見て、僕は心の底からシビれてあこがれていた。

いつかあんな風に傷つきながらもかっこよく戦いたいと思っていたものだ。

僕は傷つきながら苦しい状況に立ち向かうということにあこがれ続けその未来を選択したのだと思う。

 

おい、幼い日の僕よ。なんちゅうもんにあこがれてくれてたんだよ。

大人になっても変身できないし、「とうっ!」って言って高いところから飛び降りたりはできないんだよ?

ただ、ボロボロになりながら立って歩くことはできるよ。

身体中を薬で焼かれながらでも立ち上がることはできるよ。

こみあげてくる気持ち悪い胸のムカツキを薬品の味しかしない唾液を呑み込んで耐えながら立って歩くことはできるよ。

フラフラになりながらも目だけは前を見据えて立って歩くことはできるよ。

爆風の中を血を流しながら歩くことは今の僕にはできないけれど同じくらい、いやそれ以上に辛い状況だと今の僕には言えるよ。

でも、今の僕には倒すべき悪者も守るべきヒロインもいないんだよ。

ただただ苦しみに耐えているだけなんだよ。

幼いころの僕よ、未来の君にはこんな苦しみが待っているんだよ。

でも今の僕はまだギブアップもしてないし倒れたまま立ち上がることをあきらめたりはしていないよ。

もう少し頑張るから。頑張れるだけはがんばろうと思うよ。