44歳の僕がステージ4の大腸がんと診断されて

2016年大腸がん発覚。手術後、腹膜への転移が確認されステージⅣだと告知される。その後半年間に及ぶベクティビックス抗がん剤治療を受ける。2018年12月がん再発。アバスチン抗がん剤治療を受ける。48歳になりました。

ネガティブなことは考えないようにしたいが、考えることを止めるのはむずかしい【がん闘病記73】

この記事ではヨシノ (id:yo_kmr)が2016年の9月下旬ごろに書いたメモをまとめています。

6クール目の抗がん剤投薬後から12日経過

2016年9月。

いつもなら今日は抗がん剤治療のため入院している日になるのだが、抗がん剤治療も予定の半分が過ぎたということで今回は特別にまだ休薬期間が1週間ある。

11日以上の休薬期間を過ごしたことがないので、あと1週間で抗がん剤の副作用がどうなるかはまだ分からない。

今の体調としてはこの時期にありがちな「ぶり返し」が来てて、倦怠感が昨日より少しだけキツい気がする。

頭髪がいよいよヤバい

ところでいよいよ髪の毛がヤバい。

僕の頭髪は在庫切れ間近のような感じがしてきた。

毎日のシャンプーのときの抜け毛の量は相変わらず引くくらい抜けているし、風呂上りの濡れた髪のペッタリとしたボリューム感の無さも日々増してきている。

ちょっと前までは髪の毛が乾いているときはパッと見そうでもない、というか分からない感じだったが最近では光の当たり具合によっては頭髪の薄さがありありと分かるようになってきてしまった。

以前の僕の頭髪は深い森のように分け入っては進み分け入っては進み、という感じで密集していたが、今の僕の頭髪は表通りの街路樹のように間隔が開いて頭皮が透けて見えてきている。

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そして抗がん剤の副作用による薄毛の進行は一般的な男性の薄毛の進行とはちょっと違う。

おでこがだんだん広くなっていくだとか、頭頂部から後頭部にかけて薄くなっていくとかそういった薄毛の進行ではない。

頭皮全体にまんべんなく薄くなっていっているという感じだ。

このままハゲ散らかしていったらどんな感じになるんだろう?

しかし考えようによってはこれはお得な経験かも知れない。

僕の場合は薄毛の原因は抗がん剤治療の副作用によるものだとハッキリしている。

ということはもし将来抗がん剤治療をやめることができたらまた髪の毛は復活する可能性があるということ。(戻らない可能性もある)

全世界の一般的な薄毛で悩んでる人たちは直接的な原因もハッキリと分からず、ただ枯れ落ちていく自分の毛髪に恐れおののき怯えていることだろう。

そんな薄毛の人たちの感覚がちょっとだけ味わえる、薄毛経験ができる。

薄毛の体験入学みたいなことができてお得なのかもしれない。

こんなことを言うと薄毛で悩んでいる人たちに失礼かな…

 

体力の低下。小柄な女性店員さんに追いつけない

抗がん剤の投薬から休薬期間が12日経過というのは抗がん剤治療を始めてから初めてのことだ。

でも12日たっても抗がん剤の副作用は抜けない。

それどころかなんだかぶり返してキツい気がする。

まあなんというか元気がない。

今日、スーパーマーケットにピーナツバターを買いに行った時、ピーナツバターの場所が分からなかったのでちょうど品出しをしていた店員さんに場所を聞いた。

すると店員さんが「こちらです」とその場所まで案内してくれた。

でも先を歩く店員さんのスピードについていけない。

その店員さんは僕よりもかなり小柄な中年の女性で歩幅だって僕よりも小さいはずなのにどんどん離されて見失いそうなってしまいそうになった。

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なんとか追いついて無事にピーナツバターの置いてある場所にたどり着いたが、自分がこんなにも歩く速度が落ちていたとは思わなかった。

まるで80歳くらいのお爺さんの歩く速度だ。

なんていうか早く普通の中年にくらいの元気になりたい。

 

クヨクヨとネガティブな考えることをやめたい

6クール目の抗がん剤投薬後から13日経過

抗がん剤投薬後から13日も期間が空く、というのは今までで経験のない未知数の世界だけど昨日に比べたら気分がいい気がする。

これまで休薬期間中は特に夜になってくるといつも気分が悪くなっていたけれど、今日に限ってはそれほどでもない。

日が経つにつれ抗がん剤の副作用も治まってくるのか。

でもこれまでの経験上、波があるので楽観視はできない。

明日また急に倦怠感がぶり返してくるかもしれない。

今日は調子が良かったから倦怠感のつらさ度は2くらいかな。

つらさレベル2

 

癌のことを考えないようにしたい

僕が思うに僕自身の目指す課題の一つに、いかにして「癌のことを頭から消し去ることができるか」ということがある。

なるべく癌のことを普段から考えないようにする。ということ。

自分が癌患者だってことは分かっている。

分かっている以上にあれこれ自分の癌のことについて常日頃から考えてしまうところがある。

たとえば

「このまま癌が進行していったらどうしよう」

とか

「抗がん剤も効かない手の付けられない状態になったらどうしよう」

とか、ネガティブなことばかり主に考えてしまう。

でも、あれこれクヨクヨ考えたってどうしようもないし、逆にネガティブな思考は免疫の作用にあまりよくない気がするから、どちらかいうと癌のことを考え過ぎるのはマイナスだと思う。

考えるのをやめればいいだけのことだけど「考えるのをやめる」ってちょっと難しい。

意識的に考えるのをやめようと思っても逆に考えてしまう。

たとえば「いまからイチゴのことを考えるのをやめてくださいね」って言われるとどうしてもイチゴのことを考えてしまうように。

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だったらどうすればいいのか。

ならば、「考えるのをやめる」という選択をしようと心に決めようと思う。

特に「クヨクヨとネガティブなことを考えるのをやめる」という選択をする。

もう決めた。

決めたらあとはもう手放せばいい。

実際に声に出して「癌のことを考えるのをやめる」とも言ってみた。

加えて癌のことを考えないで済むような、楽しく集中できることを見つけよう。

 

さよならクヨクヨと考える僕。

もう決めた、そう決めたから。

上手くいくかどうかは分からないけど、とにかくやってみよう。