44歳の僕がステージ4の大腸がんと診断されて

2016年大腸がん発覚。手術後、腹膜への転移が確認されステージⅣだと告知される。その後半年間に及ぶベクティビックス抗がん剤治療を受ける。2018年12月がん再発。アバスチン抗がん剤治療を受ける。48歳になりました。

がん患者であるがゆえの気持ちの落ち込みや不安について

がん患者であるがゆえの気持ちの落ち込みや不安について

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この記事ではヨシノ (id:yo_kmr)が2019年の5月下旬に書いたメモをまとめています。癌患者として、特にがん再発が確認されてからは精神的にも不安定になることが多くなりました。

得も言われぬ不安について

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夜、たまに得も言われぬ不安に襲われる時がある。

以前、担当医のアマキ先生から言われた

「がんが再発した場合の平均余命は4~5年です」

という言葉が頭の中をあばれまわる。

その言葉はまるで勢いよく壁にぶつけたゴム玉・スーパーボールのように、僕の頭蓋の内側をいたるところにぶつかりながら跳ね回っているようだ。

怖い。

とても怖い。

僕は2018年の12月にがんの再発が確認された。それならば自分はもうそんなに長い時間は生きられないかもしれない。そのことが恐ろしくてたまらない。

もう人並みに歳を取り、おじいさんにはなれないかもしれない。

人生の終焉。終わり。

行き止まり。いや僕にとっては「生き止まり」ということか。

このようなネガティブな考えが、ふいに頭の中を真っ黒に塗りつぶしていく。

しかし、この感情の浮き沈みは一種の「波」のようなもので、暗く沈んだり明るくなったりするということは、がんと診断されてから何度もあったので、これまでの経験上ある程度は分かっている。

この先ずっとこのままの感情でいることはない、ということも分かっている。

こういうときはたいてい一晩ぐっすり眠れば、明日にはいくぶんマシになっているはずだ。

しかしよくよく考えれば、アマキ先生もデリカシーのないことを言うもんだ。こっちが聞いてもいない「余命」についてわざわざ言及することもないだろうに。

そう考えるとなんだか腹も立ってくる。

体調面と精神面の相関性 

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抗がん剤の投薬から数日が経ち、最近の体調はいいほうだと思う。これまでにくらべて元気になってきた。 

体調が良くなると精神的にも落ち着いてくるようだ。

逆に体調が悪いと気持ちも落ち込みやすく、神経質になりナーバスになりがちだ。

体調が悪いと、

「もしかしたら今の体調不良は、身体の中でがんが悪さをしていることが原因なのか?」

などと考えてしまう。

今までの記録を読み返してみると、いつもこんな感じだった。

抗がん剤の副作用で苦しんでいるときは、

「もしかしたら体調が悪いまま、もう二度と復調しないのかもしれない…」

という不安にいつもかられている。

そして抗がん剤の投薬後からある程度の日数がたち、副作用も落ち着いて体調的にも元気になってくると、精神的にも持ち直してくる。

「やっぱり大丈夫なんじゃないかな?」

と、気持ちのほうもポジティブになってくる。

抗がん剤の功罪

抗がん剤の功罪のひとつに精神的不安の増長ということがあると思う。

副作用で体調が悪化し、体調が低下するとともに精神的にも不安定になって、それが原因で免疫力も低下してしまう、という悪循環に陥るのではないかと推測する。

これまでのメモを読み返してみると、抗がん剤の副作用で体調が悪くなるたびに動揺して、精神的にも落ち込んでいるように思える。

抗がん剤の副作用では、下痢になったり鼻血がでたり倦怠感で身体が重く感じたりする。

その症状が抗がん剤の副作用なのか、癌が体内で悪影響を及ぼしているのかが分かりにくくていつも混乱している。

最近ではずっと痰が絡んでいて、そのことについてもナーバスになっていた。

「もしかしたらがんが肺のほうに転移して、そのせいで痰が絡んでいるのではないか?」

という考えが頭の中をぐるぐると回っていた。

でもその痰がからむ症状も、ここ数日にかけてだんだんとおさまってきている。

原因として考えられるのはゴールデンウィーク中にうちに遊びに来ていた妹の娘のである姪の1才のさくちゃんが風邪気味だったので、それがうつったらしい。

後日妹と電話で話したときに、妹も僕と同様に痰が絡む症状が出ていたようなので、2人ともさくちゃんの風邪がうつったのだろう。

とはいえ僕は抗がん剤の影響で白血球の数値はやはり正常値よりは少ないとは思う。

だから風邪などは細心の注意を払わないといけないと思っている。

抗がん剤治療の前日はどうしようもなく気持ちが落ち込む

いよいよ明日からは8クール目の抗がん剤治療治療が始まる。

アバスチン抗がん剤の投薬のため3日間いつもの総合病院に入院するのでその準備をしていると、どうしようもなく気分が落ち込んできた。

「またあのつらい地獄のような抗がん剤治療をしなくていけないのか…」

「せっかく身体が抗がん剤の副作用から回復して元気になっても、また抗がん剤を始めたらだいなしじゃないか…」

「この先に希望はあるのか…」

「ただ滅んでいくだけの人生になんの意味があるんだ…」

「このまま身体に薬を入れ続けるのはいやだ、でも薬を入れ続けないと癌が増殖して死んでしまうかもしれない…」

「怖い、つらい、いやだ、悲しい」

そんな考えが頭の中をぐるぐると回り続ける。

気のせいか周りの空気も冷たくなり、身体も重くなってくるように感じる。

気持ちが落ち込んだときの対処法はある

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でも、今までの経験からこういう時の対処法もある程度は心得ている。

こうしてテキストとしていったん書き出してしまえば、ネガティブな考えが頭の中をぐるぐると回り続けることは少なくなる。ノートやチラシの裏などに、感情にまかせて書きなぐってもいい。とにかく頭の中にため込まないでいったん吐き出す、アウトプットすることが大事だと思う。

あとは楽しいことを考える。

先日姪のユイちゃんのお誕生日会で3才の甥のハル君が主役のユイちゃんを差し置いてケーキのロウソクの火を一生懸命吹き消そうとしている動画をみて心を落ち着けた。

この動画はいつ見ても笑える。

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あとは風呂に入って早めに寝てしまうに限る。そうすれば明日の朝には少しはマシになっているはずだ。ぐじぐじ考えても事態は好転しないのだから。