44歳の僕がステージ4の大腸がんと診断されて

2016年大腸がん発覚。手術後、腹膜への転移が確認されステージⅣだと告知される。その後半年間に及ぶベクティビックス抗がん剤治療を受ける。2018年12月がん再発。アバスチン抗がん剤治療を受ける。48歳になりました。

2019年から保険適用予定のがんゲノム医療について聞いてみた

この記事ではヨシノ (id:yo_kmr)が2019年の1月下旬に書いたメモをまとめています。

2019年から保険適用になる予定のがんゲノム医療について担当医のアマキ先生に聞いてみた

2019年1月。

3クール目のアバスチン抗がん剤投薬のため入院

朝、起きてみての体調はいい方だと思うが、精神的には気が重い。まだ抗がん剤も入れていないのになんだか気分が悪くなってる気がする。

朝9:30ごろ病院に到着。今日はいつもと違って患者さんが少ないようで待合室もなんだか閑散としている。これならあまり待たないで血液検査に呼ばれそうだ。

血液検査の結果、今回も数値に問題はなく予定通り抗がん剤治療が開始されることになった。そして担当医のアマキ先生と話し合った結果、今後は3週間ごとのサイクルで抗がん剤治療をしていくことに。

2週間と3週間のサイクルではもちろん3週間の方が休薬期間が長い分身体の負担は少ない。しかし、負担が少ないことと治療の効果を天秤にかければ治療効果を優先すべきだと思う。そのことを担当医のアマキ先生に相談すると、

「治療の効果は時間を置いてみないと判断できないんですよ。保険適用内だと腫瘍マーカーもひと月に1回しか取れないので」

とのことだったので、とりあえず3週間で様子を見てみることにした。

この病院でがんゲノム医療を実施するの予定はあるのか?

それと最近ニュースで知った「がんゲノム医療」について聞いてみた。

がんゲノム医療とはがん細胞の遺伝子情報を基に効率的・効果的に診断・治療をすることを目的とするもので、次世代シークエンサーという解析装置でがんの遺伝子情報を読み取る「がん遺伝子パネル検査」は従来の遺伝子検査よりも精度が上がるようだ。

そして、ニュースで知ったことはこの「がんゲノム医療」が2019年春くらいから保険適用になる予定だということなので、この病院でそういった予定はあるのかということを聞いてみた。

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アマキ先生の答えをまとめると

  • 当院としては国から定められたガイドラインに従って治療方針を決めている
  • 今ところ手持ちのガイドラインに保険適用としてがんゲノム医療の予定はない
  • 医師のスタンスとしてこちらから保険適用外の治療法をすすめることはないが、それが効果が無いと言ってるわけではない
  • 患者さんが希望すれば紹介状も書くし、できることであれば協力する

とのことだった。

個人診療ではない公的医療機関の総合病院のスタンスとしてはしごくまっとうでその通りなんだろうなと思う。

ただ、僕が期待していたことは2019年の春から「がんゲノム医療」が保険適用内になるとニュースで聞いたから、この病院内でそういった動きがあればいいなと思ったことと、医療業界での動きというかそういった情報が手に入ればと思ったけど、そうでもなかった。

 本音を言えば今やっているアバスチン抗がん剤がつらすぎるので、やめて別の方法があればそうしたいというところ。

病棟に上がり投薬開始 

今回割と早い方で、11:30ごろ病棟に上がり12:40に最初の点滴が始まる。

そして何種類かの点滴が終わり16:00ごろ、最後の点滴が始まる。これは46時間かかる長いやつだ。

もうこの時点でつらい。少し吐き気も出てきたので16:30ごろ、追加の吐き気どめを頼む。小さなゲップも頻発してきた。病室は4人部屋なので夕食どきは他の患者さんが食べる食事のにおいすらキツい。

ミントが吐き気に有効かも 

吐き気を抑える手段としてミント系のものが有効なのかもしれないと最近気づいた。

前回の抗がん剤治療の吐き気がひどいときに歯磨きをしている最中に

「あれ?少し楽な気がする」

と歯磨き粉のミントからヒントを得た。スーっとする感じが少しだけ吐き気を抑えてくれるような気がする。

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今回はミントの飴を病室に持ち込んで吐き気をもよおすとなめてみることにした。するとミントの爽快感がスーっと鼻に通って少しだけ吐き気を和らげてくれるような気がする。でも、本格的に吐き気が上がってくるとさすがにミント飴だけでは抑え切れないので吐き気止めをもらうようにしている。

9:30には睡眠安定剤を飲んで寝るが、夜中暑くて目が覚める。

基本的に病室内は暖房が効きすぎていて暑い。対処法として看護師さんにアイスノンを用意してもらうと少し楽になった。4人部屋の病室ではいろんな状況の患者さんがいるので文句ばかり言っていられない。もしかしたら病状や体調から寒さに震えている患者さんもいるかもしれないので。

頭が痛いときはアイスノンで

3クール目のアバスチン抗がん剤投薬のため入院2日目

朝、起きると昨日よりは多少気分が良かった。吐き気の方も昨晩ほどではなく、少しはおさまっていた。とはいえキツいのはキツいので1日中病室のベッドで横になっていた。早く明日にならないものか。

17:00ごろ、少し頭が痛い気がしたので看護師さんに頼んでアイスノンをもってきてもらう。

18:00ごろ、担当医のアマキ先生が様子を見に来てくれた。先生の話によるとこの抗がん剤治療では1番副作用がキツい薬が最初に入るのでやはり初日が1番つらい傾向にあるとのことだった。

過去にお世話になったゴトウ看護師さんのこと

2年前に抗がん剤治療で入院していたときとくらべると、同じ病棟でも勤務している看護師さんの顔ぶれはかなり変わっている。それでも、点滴を換えに来てくれた日勤の看護師さんで2年前に僕が入院していたときのことを覚えてくれている看護師さんがいたので、それとなく2年前に僕の担当の看護師さんだったゴトウ看護師さんについて聞いてみた。

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ゴトウ看護師さんは僕が2016年にステージ4の大腸がんの告知を受けた後、とても精神的に落ち込んでいた時にサポートしてくれて大変お世話になった看護師さんだ。

www.44cancer.com

僕が2年前に抗がん剤治療していたころはゴトウ看護師さんは既に第一子を妊娠されていた状態でお仕事をされていた。そしてちょうど僕の抗がん剤治療が終わったころには出産準備に入られていて産休に入ったこともあり、満足にお礼もできなかったのでそれからどうされているのか少し気になっていた。

聞くところによるとゴトウ看護師さんは一人目のお子さんを無事出産して、今では二人目を妊娠されているとのこと。そして現在、看護師のお仕事はやめて専業主婦になられているらしい。

お子さんたちに囲まれて幸せそうにしている姿が目に浮かぶ。とにかくお元気でいられるようでよかった。自分が恩を感じている人が幸せそうにしている話をきくと嬉しくなるものだ。

3日間に及ぶ投薬が終了

3クール目のアバスチン抗がん剤投薬のため入院3日目(最終日)

体調は昨日とあまり変わりはないが、頭が重い感じがする。副作用として「頭痛」があるということなのでもしかしたらその兆候かもしれない。

僕がいる病室から廊下をはさんで向かい側の病室から「オエー、オエー」と嘔吐する声が聞こえる。僕と同じく抗がん剤の副作用で苦しんでいるのだろうか。そんな声を聞くと気が滅入るし、つられて吐きそうになってしまう。

そしてそのつらい気持ちは痛いほど分かる。

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17:30ごろ、点滴終了。体調、気分ともに最悪だ。

強い吐き気と倦怠感に見舞われてフラフラしている。

とにかく早く家に帰って自分の部屋で休みたい。

早急に帰り支度をして家路についた。